ローカルフードプロジェクト(LFP)について

取組事例

 令和3年度のローカルフードプロジェクトから、イノベーション(=新しいなにか)を生み出し、新しいビジネスを創出した(あるいは創出しつつある)事例を紹介します。

宮崎県:新しい派生

 農産物や畜産物の一大産地である宮崎県のプラットフォームは、コロナ禍や自然災害等によるサプライチェーンの機能不全のリスクを回避し、事業継続を担保することを共通の課題に据えました。プラットフォームのなかに複数分科会が設置され、令和3年度のうちに8つものプロジェクトがスタートしました。

 一例として綾町自然生態系農業農力向上委員会を中心としたグループは、地元有機野菜を活用し、長期保存にも対応した乾燥野菜ミックスや真空フライチップスなどの簡便食・幼児食を開発しました。さらに、LFPパートナーの交流連携が広がり、綾町の有機野菜に加えて宮崎地頭鶏などの食材を地元ショッピングセンターに集約、その後航空会社で首都圏の消費地まで高鮮度で届ける「空陸一貫高速小口貨物輸送サービス」も生まれました。このように、プロジェクト間の交流連携も派生し、面的な広がりに発展しています。

宮崎県の事例

京都府:新しい組み合わせ

 京都府はコロナ禍による観光客の減少により大きな影響を受けました。京都府のプラットフォームでは、京野菜の生産者と京料理店等が連携し、高所得者層向けに、家庭で楽しめる新商品を開発しました。

 清水焼や朝日焼の皿、京丹後ちりめんなどの京都の伝統工芸品を使うことで、特別な体験メニューも試作しました。

 食品を食品として提供するだけでなく、地域固有の文化や体験と組み合わせることで、唯一無二の付加価値を生み出せる可能性があります。

京都府の事例

静岡県:新しいサービス

 静岡県でも、コロナ禍により飲食店がダメージを受け、県産農産物にもフードロスが発生しました。

 この課題に対して静岡県のLFPは、「未利用食材を、地域のシェフの監修のもとレシピを添えて販売しよう」と考えました。通常のミールキットではなく、「生産者のストーリーを伝える冊子つきでサブスクリプションとして提供する」という取組が新しいポイントです。

静岡県の事例

長野県:新しい技術

 長野県はキノコの大産地ですが、近年は大企業が参入し、生産者は厳しい状況にあります。

 長野県のLFPは、県産食材認知のための食育活動として、「えのきメンチカツ」を学校給食で提供したほか、動物性原材料を使わない「エノキハンバーグ」を開発しました。

 LFPプラットフォームを通じて新しい技術をもつ事業者と出会うことで、食肉の代替となるエノキタケの新しい食べ方の提案となりました。

長野県の事例

取組事例集のご紹介

 令和3年度の各地域の取組みについて、くわしくは「ローカルフードプロジェクト[LFP]令和3年度 取組事例集」をご覧ください。