中央LFP事務局のプロデューサーを担って以降、LFPの目的にある「社会的課題の解決と経済的利益の両立」や「イノベーションの創発」(仮に「LFPの価値」と称する)を日々の中で考えるようになった。
その一つとして、リモートミーティングを積極活用し、食農ビジネスの未来像について、変容する現在の社会と照らし合わせながら、事業を少し離れた視点から、さまざまな方々との意見交換を進めている。
◆朝日新聞ポッドキャスト
先日、朝日新聞ポッドキャストの担当の方々との意見交換を行った。朝日新聞ポッドキャストは、普段、新聞紙面といった限られたスペースで社会事象を届ける記者たちが、記事の深層や背景をMCの進行により、じっくり話すといった音声コンテンツである。各コンテンツがアーカイブされているため、スマートフォンやPCから好きな時間に聞くことができるなど、紙面とは少し異なる自由でフランクな場といった新しさがある。実は、その関係者の一人が長野LFPのプラットフォームに参加している。 今回、その繋がりから、ポッドキャストとLFPの類似性について意見交換を行った。
◆考えるプロセス共有と新しい何か?
朝日新聞ポッドキャストには、食料や環境などLFPに取組む私たちに身近なテーマも複数ラインナップされている。実際にいくつかのテーマを聴いてみたが、小さなテーマでも、それを取り巻く背景やストーリーなど記者の視点が事細かに語られ、それをMCが更に深堀し、臨場感とドライブ感があって実に心地よい。
意見交換でも、このポッドキャストといった空間とLFPのプラットフォームの共通性に議論が及んだ。双方とも特定の空間(インナーコミュニティー)の中で「考えを磨き、そのプロセスを共有していくこと、リスナーや参加者が互いに考え合うことで『課題の目ぞろえ』ができるところ」が共通するとの話になった。
LFPプラットフォームでは、社会的課題といった特定のテーマに対し、それを解決するための戦略を検討するため、外部環境から課題の社会的背景等を思慮し、内部環境の強味や相互連携によるシナジーを発揮させたりして「新しい何か?」を創出していくことが求められる。
これまで紙面を使って情報発信してきた新聞が、新たなメディアを利活用してテーマを深堀りし情報を発信をしているように、LFPもプラットフォームを中心に、これまでの食や農のルールに捉われない柔軟な発想で、価値を生み出すための新たな取組が生み出されて行くことを期待したい。
▷朝日新聞ポッドキャスト「ニュースの現場から」https://omny.fm/shows/asahi/
2021.11.10 文責:長谷川
潤一
LFP中央事務局プロデューサー
(一般社団法人食品需給研究センター)
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